本町の将来像「豊かな心と生きがいを育むまち 古座川」を目指し、まちづくりの基本姿勢として、2つの柱を掲げています。
1.‛‛きらりと光る”古座川
2.‛‛町民とともに築く”古座川
さらに、その実現に向け、6つの町づくりの基本目標を掲げています。
(1)田舎でも安心の福祉サービス
(2)未来と過去を繋ぐ教育
(3)住みたい、住み続けたい生活環境
(4)癒しと活力いっぱいの古座川タウン
(5)きよらかな環境を守るまち
(6)郷土愛に満ちた相互扶助のまち |
基本目標1~田舎でも安心の福祉サービス~
◎子育て支援の充実
子育て支援サービスの充実をはじめ、安心して子どもを産み、育てられる環境づくりに取り組んでいます。令和元年度に策定した「第2期古座川町子ども・子育て支援事業計画」(令和2年度~6年度)に基づき、0歳から15歳までの子育て支援・一貫教育として、幼児期の学校教育・保育、地域の子ども、子育て支援について総合的に取り組んでいます。
英語指導員の保育所への派遣や、町内在住の園児の保育料を無償としています。また、妊娠から18歳までの保健師によるサポート体制の充実、妊産婦健康診査などの各種費用の助成、未就園児を対象とした子育て支援センターでの相談指導の実施や、学童保育所を運営し、子育て家庭への支援、地域全体で子育てを支援する基盤整備を図っています。
高校生等の子育て世帯の経済的支援を行うため、町独自の支援金を給付しています。
◎保健・医療の充実
「自分の健康は自分で守る」ことを基本とし、すべての住民が健康で元気に暮らせるよう、関係機関が連携して、健康に関する教育・指導・相談等の体制を整備しています。また、医療ニーズの高度化・多様化に対応し、地域で安心な医療が受けられるよう、医療機関と連携した医療体制の充実を図ります。
古座川町保健福祉センターは、明神診療所、役場健康福祉課、地域包括支援センター、社会福祉協議会などが一体となっており、保健・医療・福祉等の複合施設として、町の保健福祉活動の拠点となっています。町内の診療所は、明神診療所のほかに、七川診療所と3つのへき地診療所があります。
◎高齢者福祉の充実
高齢者が住み慣れた地域でいきいきと暮らせるよう、社会参加や在宅生活への支援を充実するとともに、介護保険における介護予防事業、地域支援事業の充実に努め、ともに支え合う地域づくりを推進しています。
「いきいき百歳体操」などの運動教室や、社会福祉協議会の「ふれあいカフェ」など、高齢者の皆様が充実した日々を送れるようなイベントを企画しています。
◎障害者福祉の充実
障害者が地域社会の一員として自立した生活を送れるよう、自立支援サービスの定着や充実を図るとともに、地域で関わり合える社会環境づくりを推進しています。
日常生活を支援するための補装具を1割負担で利用できる「補装具費支給制度」などの助成制度や、障害に関する相談、通院等の移動支援、施設への入所や事業所の利用に係る費用を給付する「障害福祉サービス費給付制度」などのサービスがあります。
◎地域福祉の充実
すべての住民が住み慣れた地域で安心して暮らせる環境づくりに向けて、社会福祉協議会をはじめ、民生委員・児童委員、ボランティア団体など各種団体との連携を強化するとともに、地域を交えた福祉の向上に努めています。また、高齢者の方をはじめ、幅広い世代の方が交流できる場所として、集いの場「陽だまり」を運営しています。 |
基本目標2~未来と過去をつなぐ教育~
◎就学前・学校教育の充実
古座川町の保育・学校教育では、「ふるさと古座川をたくましく切り拓く能力を備え、心豊かで創造性に富んだ幼児・児童・生徒の育成」を目指しています。その実現に向け、子どもたちの「生きる力」を育成するため、「確かな学力」「豊かな心」「健やかな身体」という『知・徳・体』の調和のとれた保育・教育を推進しています。
令和2年度に改訂した「古座川町子ども教育15年プラン」では、家庭や地域社会との連携を深める保育所・学校づくりとして、「ふるさと教育」を掲げています。
また、英語教育を推進し、ALT(外国語指導助手)、英語教育推進員の外国人指導者による保育所での英語教育や、小中学生向けの無料の英会話教室を行っています。
その他には、読書活動支援員による町内各学校での読書活動の推進、古座川で採れたジビエや地元産の米や野菜を給食に使用し、地産地消にも取り組んでいます。
◎生涯学習・生涯スポーツの推進
子どもからお年寄りまで、生涯にわたって文化的で豊かな人生を送れるよう、公民館教室を開催し、書道、染色、ピアノなどの活動により、主体的に学ぶ生涯学習の充実に努めています。
また、グラウンドゴルフ大会、ゲートボール大会、ソフトテニス大会などを開催し、参加者それぞれの体力や年齢に応じたスポーツ活動を行える環境づくりを支援しています。
中央公民館は、生涯学習・多世代交流、子育て支援の拠点として活用するとともに、公民館図書室としても開放しています。
◎青少年の健全育成の推進
青少年の健全育成を目指し、関係機関、家庭などが一体となって取り組む体制を確立し、青少年のまちづくり活動などへの参画促進や青少年団体の育成・支援を推進しています。
川崎市との交流事業では、川崎市の児童・生徒の訪問受け入れと、古座川町の児童が川崎市を訪問する相互交流を行い、子どもたちのコミュニケーション能力・協調性・自主性を育み、ふるさとを愛し守り育てる意欲や態度の育成を図っています。
◎文化・芸術の振興
中央公民館を中心とした町民主体の芸術・文化活動を支援するとともに、文化財の保存・整備と無形民俗文化財や地域特有の食文化・生活文化の伝承に努めています。
中央公民館2階に、公民館図書室や学習スペースを設置し、展示している実物の民俗資料や「古座川町史」などにより、古座川町の歴史に触れることができます。
また、地域で語り継がれている民話をまとめた冊子「古座川の民話」は、貴重な文化遺産として活用しています。 |
基本目標3~住みたい、住み続けたい生活環境~
◎道路網の整備
広域的なアクセスの向上、町内の地域間交流の強化と安全性・利便性の向上及び定住人口増に向け、町内道路網の計画的な整備、一般国道42号串本太地道路古座川インターチェンジ(仮称)整備を契機とするアクセス道路の整備を進めるとともに、環境と人に優しい道路空間づくりを心がけています。
また、橋梁長寿命化修繕計画に基づく橋梁の補修、町内各路線の適正な維持管理に努めています。
◎公共交通の維持・充実
利便性の高い公共交通を維持・充実させるため、ニーズを把握し、特性に合った公共交通体系の構築に努めています。町内唯一の公共交通「ふるさとバス」は、平成13年から運行を開始し、現在はスクールバス併用で2路線を運行しています。令和3年6月には、バス利用者から寄せられた意見を基に運行内容を改正しました。
通学・通院等での住民の移動手段を確保するため、地域を支える公共交通として運行を継続します。
◎水道施設の維持・整備
安全な水を安定して供給するため、老朽化した設備の更新や施設整備を行い、災害に強い水道施設づくりに努めています。導管及びその他の工作物により飲用に適する水として供給する施設が53施設あり、そのうち水道法の適用を受ける簡易水道が7施設、残りの46施設は水道法適用外の飲料水供給施設及び簡易給水施設として位置づけられ、運営は各地区等が行っています。
◎消防・防災・救急体制の充実
自然災害からの安全確保のため、地域防災力の向上に努め、豊かな自然を大切な財産とし、安心して暮らせる総合的な防災対策を推進しています。
令和2年度には、高池下部区に「古座川町津波避難総合センター」が完成し、津波や洪水被害等の災害対策として活用しています。
◎住宅・住宅団地の整備
安心して暮らせる住環境の整備、住宅の適正管理を行い、町民にとって快適な住環境の確保に努めています。公営住宅長寿命化計画に基づき、既存住宅の計画的な維持管理を行い、津波や洪水等の災害を想定した新たな住宅地等の確保にも取り組んでいます。
◎情報基盤の充実
情報通信基盤の整備を促し、町民のまちづくり活動のための必要な施策の推進に努めるとともに、積極的な情報発信による産業活動の活性化や防災情報体制の整備に努め、情報化社会の変化に対応できるまちづくりを目指しています。
◎定住の促進
移住定住者のための空き家情報の充実や各種補助事業を実施するとともに、各種セミナーやフェアなどへの積極的な参加を行うなど、より多くの人に古座川町を知ってもらう事業を推進しています。平成27年度から令和3年度までに「地域おこし協力隊」を15名採用し、地域外の人材の町への移住を促進するとともに、関係機関と連携し、情報交流や農林業・観光の振興、地域産業の活性化など、多様な交流を推進しています。 |
基本目標4~癒しと活力いっぱいの古座川タウン~
◎農林業の振興
安全・安心な食を提供する自立した農業の実現に向け、多面的な農業振興施策を総合的、計画的に推進し、持続可能な農業を目指しています。
町の推奨三品目であるゆず・しきみ・せんりょうの他、休耕田を活用して栽培されたにんにくは新たな特産品として注目されています。特産品の積極的な販売・市場調査を行い、消費者ニーズに対応した新たな特産品づくりに取り組んでいます。
また、農林産物に被害を及ぼす有害鳥獣の鹿や猪等を「山の恵み」として捉え、「ジビエ」という貴重な地域資源として活用しようと発想を転換し、ジビエ製品の販売を行っています。
林業については、長引く木材不況などにより厳しい情勢にありますが、国・県の補助事業・森林環境譲与税を活用し、関係機関との連携により適切な森林整備を図っています。
◎観光・交流事業の振興
交流人口の増加と地域活性化に向け、多様化、高度化する観光・レクリエーションニーズに即した多面的な取り組みを一体的に推進し、観光・交流機能の拡充に努めています。
古座川町への観光の目的は、川釣り、キャンプ、川遊び、花見、温泉・保養、サイクリングなどが主なものです。
町内には「道の駅一枚岩」、「道の駅瀧之拝太郎」、「道の駅虫喰岩」の3つの道の駅があり、観光の拠点となっています。また、南紀熊野地域は日本ジオパークに認定され、町内では11か所がジオサイトとして選定されています。
近年は、アウトドアブームによりサイクリングやカヌー、キャンプ客が増加しており、今後、豊かな自然環境を生かした観光振興を進めるため、町内にキャンプ場等の観光客の受け入れ施設の整備を計画し取り組んでいます。
◎商工業の振興
にぎわいと活力あふれるまちづくりの一環として、商工会と連携し、魅力ある商業環境づくりを進め、商業の活性化を図ります。また、地域経済の活性化と雇用の場の確保に向けた取り組みと既存企業の体質強化を促進します。
古座川町の商工業は、小規模なスーパーと個人商店で構成され、外部からの進出企業を除けば地場の小規模な製材業等が中心となっています。 |
基本目標5~きよらかな環境を守るまち~
◎自然・環境と共生する地域社会
自然環境と調和した、町民が生涯にわたって快適に暮らせる環境づくりを推進するとともに、快適で美しいまちの景観の形成を図っています。
◎資源循環型社会の構築
町民、事業者、行政の協働により、ごみの発生抑制や再利用による減量化、リサイクルなどごみの減量化に取り組むとともに、ごみの収集、処理体制の充実をはじめ一般廃棄物の適正処理を推進し、自然環境と調和した持続可能な資源循環型社会の構築に積極的に取り組んでいます。
◎公園の整備
すべての町民が潤いのある生活を送れるようにするため、清流・古座川を中心とした公園などの憩いの場づくりに努めています。 |
基本目標6~郷土愛に満ちた相互扶助のまち~ ◎町民参加のまちづくりの推進
町民と行政がそれぞれの役割と責任を持って協働し、地域社会における課題解決の仕組みづくりに向けた、町民参加のまちづくりを目指しています。令和6年7月には、「古座川のクリーンキャンペーン」を開催予定です。町民自らの手でふるさとを綺麗にすることで、郷土を愛する気持ちをより一層育んでいく取り組みを行っています。
◎コミュニティ活動の充実
地域の連携や郷土意識の継承による魅力ある地域社会の形成に向け、地域コミュニティ活動の拡充と活性化への取り組みを支援しています。
◎男女共同参画・人権尊重社会の形成
男女が互いに人権を尊重し、個性と能力を充分に発揮し、自分らしく輝いて暮らせる社会の実現に向け、意識づくりや環境づくりを進めています。
◎時代に即した自治体経営の推進
町民との信頼関係を維持し、安心して生活できる行財政運営を進めるため、時代に即した効率化に取り組みながら、財政の健全化と行政サービスの向上に努めています。 |
地域概要と施策課題
高池地域
古座川の河口流域に位置し、役場本庁が所在する町の中枢域となっています。道の駅虫喰岩、古座川町観光協会等を中心に、観光客に町の玄関口として親しまれています。
令和2年5月には、防災対策となる「古座川町津波避難総合センター」が完成しました。今後は若者の雇用場所を増やすこと等が課題としてあげられます。
世帯数 581戸 人口 1,123人
明神地域
古座川と支流小川が合流する本地域では、比較的平坦な農用地が広がっています。上流には観光名所「一枚岩」があり、隣接する道の駅一枚岩は多くの観光客で賑わいます。川口地区には古座川町保健福祉センターがあり、医療と介護、生活支援のサービス拠点となっています。過疎高齢化が進む中での人口数の維持、観光資源の維持等が課題です。
世帯数 311戸 人口 542人
小川地域
古座川の支流、小川沿いに栄える本地域は、「滝の拝」など渓谷の自然が豊かな地域です。道の駅瀧之拝太郎には、診療所、役場出張所、集会所兼避難所を併設し、住民の憩いの場と行政機能を果たしています。町内で最も過疎化、高齢化が顕著な地域であり、過疎高齢化対策や、自然環境を保全する取り組みが今後の課題となっています。
世帯数 70戸 人口 103人
三尾川地域
古座川中流域に位置する本地域は、奥地地域への中継地点です。光泉寺の子授け銀杏には多くの観光客が訪れ、毎年11月下旬には「イチョウ祭り」が開催され、令和4年度より観光協会によるライトアップを実施しています。今後の課題としては、近畿自動車道紀勢線すさみ南インターへのアクセス道路として重要な県道串本古座川線の早期改良等があげられます。
世帯数 159戸 人口 262人
七川地域
町最大の行政区域を持つ本地域は、七川ダム上流に位置し、特産品であるゆずの生産が盛んです。平井地区にはゆず加工の製造設備が稼働し、雇用の創出を担っています。同地区の北海道大学和歌山研究林本館は、「国登録有形文化財(建造物)」に指定され、地域住民や利用する学生に愛されています。道路網整備や、七川ダム湖畔の桜の老朽化等が今後の課題となっています。
世帯数 239戸 人口 333人
(令和6年1月1日 住民基本台帳人口) |